ドン・フラノ・アネホ・20th アニバーサリー・エディション
Process:
① 地域:ロス・アルトス / アトトニルコ 畑:El Maguey
2008年植樹、2014年蒸留。220ℓフレンチオークにて2014-2022年まで8年間熟成。
② 地域:ロス・アルトス / アトトニルコ 畑:Milpillas Cerro
2014年植樹、2021年蒸留。500ℓ オロロソ樽にて、2021年7月-2023年4月まで1年9か月熟成。
③地域:ロス・アルトス / アランダス 畑:La Tuna
2014植樹。2021年蒸留。500ℓ アモンティリャード樽にて、2021年10月-2023年4月まで1年6か月熟成。
①②③を2023年4月にブレンドし、ファーストフィル・カスクのオロロソ&アモンティリャード樽にてさらに4か月熟成。2023年7月にボトリング。
味わい:
アプリコット、花梨、紅茶、白い花、ジンジャー、ハチミツ、オレンジ、グレープフルーツ、幾つかのハーブとスパイスなど複雑なアロマ。アカベの力強さとスパイシーさ、そしてオレンジ、ライムなどのシトラスのニュアンス。フルボディでありながら、スムースでエレガントな印象。余韻は非常に長く続き、フィニッシュに僅かな花の蜜のアクセント。
DON FULANO
ドン・フラノのテキーラは1867年にオレンダイン家の1人によって創設された歴史あるテキレーニャ蒸留所で造られ、その蒸留所はテキーラ地区の中心に位置します。
5世代にわたってアガベを栽培しているアガベ農家が栽培しているハリスコ州の高地で育ったアガベを使用し、独特な造り方でテキーラを造っています。蒸留者はEnrique Fonseca / エンリケ・フォセカと /セルヒオ・メンドーサの2人です。
アガベの生産からボトル詰めまでを自社で行っており、使用している原材料は厳選された成熟した高地のアガベ、アガベ由来の独自の酵母、テキーラ火山からゆっくりと濾過されたナチュラルスプリングウォーター、以上3つがポイントとなり、添加物の使用を一切行わず、アガベが与えてくれる自然の恵みを尊重したテキーラ作りを実施しています。
自然で純粋なドン・フラノのテキーラを完成させるのに必要な要素は熱、情熱、時間の3つとなります。
アガベは鉄分の多い丘の中腹の壮大な荒野でゆっくり育つため、多くの時間がかかります。さらに、蒸気で満たされた圧力釜の中でアガベに含まれているフルクタン(フルクトースが重合した多糖を総称してフルクタンと呼ぶ)が砂糖になることや、オープン型発酵タンクで培養酵母を加えて慎重に発酵させるのにも、フレーバーとアロマを濃縮する銅製蒸留器での2回の蒸留にも、長い時間がかかります。
また、以前はヘレス、ポルトガル、ブルゴーニュ、ボルドー、ロワール、ナパバレーやソノマバレーのワインが入っていたダークヨーロピアンオーク樽でテキーラを熟成させるのにはさらに時間がかかります。
それぞれのバッチは、セラーのマスターによって慎重に選ばれたいくつかの樽から最終的にブレンド、その後3〜6か月間さらに熟成させて、冷却濾過はせず、添加物無添加で瓶詰めします。時間と情熱を注ぎ、プレミアム・テキーラの1つとして、日々生産されています。
ブランド名である『DON FULANO』は、”DON ”男性につける敬称の意味、そしてFULANO”は、「ある人」「誰々」「誰か」と言った意味を持つ単語で、誰かは分からなく、名前は聞くけど実際にはほとんど知らない、ミステリアスな雰囲気を持つというニュアンスに由来しています。
製造工程
1.栽培
100%自社栽培。畑を歩き回り、最適な成熟度のアガベだけを選別。マデューロとピ
ントのアガベのみを手作業で収穫。選別後、「ジマメディア」を使用して収穫し、重
要な風味成分が含まれるペンカを1.5-2インチ残します。各畑の収穫をすべて終える
までに最大2年かかることがあります。収穫後は、アガベを植える前に、他の作物、
特にマメ科植物を2サイクル植えます。これにより、土壌と土壌中の栄養素、窒素が
回復します。
2.糖化
選別されたアガベが蒸留所に到着すると、マデューロとピントのアガベは大きさに応
じて半分または4つに切られ、蒸気で加熱されます。24-32時間、低圧(1気圧以下)
でゆっくりと慎重に蒸していきます。
蒸留すると、乾燥して繊維質だったアガベが濃い金色でしっとりとした甘みに変化し
ます。アガベを低圧でゆっくりと蒸し、さらに12時間寝かせることで、植物自体が畑
で開始していた複雑な糖を単糖類と二糖類に分解することができます。こうすること
により、発酵が可能になるのです。蒸されたアガベは、コンベアベルトでスクリュー
プレスに送られ、そこでアガベジュースまたはアグアミエルが絞り出されます。
3.発酵
発酵はテキーラ製造工程の核心部であり、酵母が重要な役割を果たします。また、
発酵は最も制御が難しい部分でもあります。発酵が始まるとあとは祈るしかありませ
ん。
オープン型発酵タンクに圧搾したアガベを入れ、場合によってはバガス(残った繊
維)あるいはアガベ繊維も加えます。
同時に、ブルーアガベ由来の酵母を増殖させたものを使います。発酵促進剤や外部
栄養素は使用せず、完全に自然に行われます。季節、湿度、天候条件にもよります
が、発酵は3-6日間続きます。その結果、アルコール度数6-9%の低アルコール物質
ができあがります。
ドン・フラノは、バガスまたは繊維を含む発酵物を約30%、バガスを含まない発酵物
を約70%使用して、ミネラルが豊かでありながらエレガントな製品を生み出していま
す。
4.蒸留
生物学的プロセスである発酵とは対照的に、蒸留は物理的なプロセスです。銅製の蒸
留器を蒸気で加熱してゆっくり沸騰させることで、貴重なスピリッツを安定して回収
しています。(80 -85% アランビック銅製蒸留器、15-20% ダブルカラム銅製蒸留
器)
自分たちが求めている製品の深みと特徴を実現するために、蒸留技術を組み合わせて
使用します。銅製の蒸留器で二度蒸留することで、豊かで深みのある職人技の製品が
生まれます。銅を使用することで、硫黄系化合物を排除することができ、最高の純度
と特徴を備えたスピリッツに仕上がります。
5.熟成
テキーラの約95%はバーボン用のホワイトアメリカンオーク樽で熟成されます。バー
ボンの生産者は、樽を1回しか使用できないため、メキシコの蒸留業者は樽を入手し
やすいのです。しかし、バーボンは、内側に直火による焼き付けを施すため、それが
アガベの繊細な香りやニュアンス、さらには熟成したときにあらわれるテロワールに
影響を及ぼしてしまいます。
ドン・フラノでは、ワインの熟成に使用されていた、ヨーロッパ産のダークオーク樽
のみで熟成されています。(フレンチリムーザン、ヌヴェール、スペイン、スロバキ
ア、ハンガリー)主に、フランスのリムーサンとヌーヴェル産で、以前はブルゴーニ
ュ、ボルドー、フランスのロワール渓谷のワインを保管していたものです。180-
500L)
また、スペインや東ヨーロッパ産など、ヨーロッパ産のオーク樽も使用しています。
これにより、スピリッツとテロワールの本質を失うことなく、より深い熟成が可能と
なります。
ドン・フラノでは、テキーラを様々な高度や気候の異なる複数の熟成場所で熟成し
ています。そうすることにより、様々な味わいのテキーラを造ることが可能になりま
す。さらに、それらをブレンドすることで、これまでにない、より深みと複雑さをも
ったテキーラを造ることができます。
6.ブレンド
スコッチやコニャック、ワインではブレンドすることは一般的ですが、テキーラはそ
うではありません。ドン・フラノは、複雑な熟成プログラムとブレンドプロセスを使
用する数少ないテキーラメーカーです。
アガベの産地、標高と土壌の種類、収穫時期、バガスの有無による発酵、蒸留技術、
熟成、使用する樽の種類、時間の異なる様々なテキーラを造ります。
これらを組み合わせることで、様々なスタイルのテキーラを造ることができるので
す。造りたいテキーラのスタイルが決まったら、ブレンドし、3-6か月間寝かせ、ボ
トリングする前にセルロースによるろ過を行い、100%無添加でボトリングされま
す。