ホンツァ
Hontza/ホンツァは、バスク地方東部標高650メートルの丘陵地帯に位置するリオハ・アラベサ地方の東側にあるラブラサ村で唯一の小さなワイナリー。ワイナリー名でもある”HONTZA/ホンツァ”は、バスク語でフクロウ。 葡萄畑を囲む森林は、畑にとって、先住民であり、守護者。その森林に昔から住んでいるフクロウに対して敬意を表し、モチーフ、シンボル、ワイナリー名として使用しています。
このエリアにある1世紀以上に渡り育ってきた石灰質土壌の葡萄畑は、周囲の森林や川岸の環境が昔のまま残っており、生物多様性が優れた自然な葡萄畑です。しかし、葡萄栽培に長い歴史があるにもかかわらず、栽培された葡萄は南リオハのドメーヌのみに販売されてきました。そこでこの村出身である“Iker García/イケル・ガルシア”と、ベルギー出身の”Alice Bridoux/アリス・ブリドゥ”の若い夫婦は、その歴史のある畑とワイングラスの距離を縮めたいという思いや、この土地のテロワールの豊かさを最大限に表現したワインを作りたいという強い願いから、2015年にこの村でワイナリーを始めます。
アリスは園芸や農業、そしてパーマカルチャー(永続可能な農業をもとに、人と自然が共に豊かになるような関係を築いていくための手法)や教育学を学んだ後、自然と密接に結びついた場所や環境での仕事を求め、スペインに定住しました。その際、イケルと出会い、イケルの故郷のラブラサ村の先祖から伝わる葡萄畑で、故郷の風景や故郷の村と深く結びついた新しい生活を始めることで、先祖たちが培ってきたことと、再び繋がるようになりました。
畑はビオディナミ農法に基づき、自然のプロセスに対して尊重を重視した必要最低限の人的介入でワイン作りに向き合い、畑は勿論、醸造工程においても清澄剤、安定剤、亜硫酸塩などの化学物質は一切加えず、野生酵母にて天然発酵、そして無濾過にて瓶詰めを実施し、全てにおいて自然な方法でワイン作りと向き合っています。
商業目的を重視したワイン造りの考えは一切無く、職人気質な感覚でワインを生産し、土地への敬意に深く根ざした哲学を持ち、周囲の環境や文化の豊かさから成長する事だけではなく、その土地へのこだわりを持ち、テロワールの細部をワインで表現できるように、日々、葡萄や畑と向き合い、努めています。
リオハらしい伝統とテロワール、バスク、リオハ、ベルギー、地中海と大西洋など彼らを取り巻く環境、そして、昔ながらの彼ら自身の哲学や新しい文化が融合したこの文化は、他にないユニークな表現であり、自然に作られた独自のワインは、今までになかったリオハワインの新たなアプローチとなり、若手ながらも個性とこだわりが詰まった、健康で正直なワインを生産しています。