ビルギット・ヴィーターシュタイン
ビルギットは、『私にとって、ワインは夢と冒険です。気候、土地、葡萄、それぞれが自然とつながり、ワインが作られる。そして、楽しい時間、美しい食事に繋がっていくことを祈っています』と語り、認証はとっていませんが、ビオロジックにてワインを生産。味わいは、柔らかく、白、赤ワイン共に、果実味はたっぷりの女性らしいワイン。また、蒸留所に関しては、ワイナリーと併設されおり、熟した健康な果実やボタニカルをグレーテが選定、蒸留から瓶詰まで、グレーテにより行われています。また、ワイン同様、決して派手ではなく、柔らかく、ボタニカルや果実の旨味を表現した少量生産の女性による蒸留酒を生産しています。ブドウ畑は、6ヘクタール、60%を黒ブドウ(ツヴァイゲルト、メルロー、ピノ・ノワール、ブラウフレンキッシュ)、白ブドウ(グリューナー・ヴェルトリーナー、ゲルバー・ムスカテラー、)を生産。
ワイン造りで気に入っていること:
ブドウ畑では働くこととおしゃべりが一緒になっているところです。収穫時はいつも特別です。自然を観察し、ワインのキャラクターを探して、裸足でブドウをつぶしたり、ワインをテイスティングし理解しようとしています。わたしはトラクターを運転する以外の全ての仕事を心から楽しんでいます。
自分の畑から造られるワインで一番好きなもの:
その時の気持ち次第だけれど、スパークリングワインからプリマ・ドンナ、フローラ、
ソーヴィニヨン・ブランにツヴァイゲルト、ブラウフレンキッシュ。
好きなオーストリアワイン:
ハイディ・シュレックのフルミント、ピーター・マルベルグのリースリング。
好きなインターナショナルワイン:
Capannelle Solare 1999, Gantenbein Pinot Noir, Binet & Jacquet
わたしたちのブドウ畑
わたしたちは、有機栽培をしています。ブドウ畑を管理する際には、次の点に注意を払っています。
・農薬を使わない
・除草剤を使わない
・蜂にも優しく、有益な方法を使う
・羊の毛を広げることで猟鳥獣からブドウ畑を守ります(年1回)
・独自のブドウの木の選択
・多くのことを手作業で行うことでブドウのコンディションを最適にします
・植物を保護するために使用するものも有機生産で承認されたものを使用
・四季を通じて腐食土を強化し、土を豊かにしています
・植物保護対策は、天気とブドウ畑の状態を見て、手作業で行います
・ブドウ畑に植物を植えて多様性を確保し、景観を改善しています
・若いブドウの木や古木に有益な植物を導入
セラーワーク
セラーワークは想像以上に清潔さと関係があります。掃除をすることと、セラーを綺麗に保ち続けることがメインタスクとなります。搾った果汁はジュースあるいはワインにし、適切な容器に移します。収穫期には、すべての感覚をワインメイキングに総動員し、香り、味わい、分析、傾聴、判断、決断をします。
セラーワークは、毎年同じプロセスで行われるわけではありません。ですから、どのロットも最適な処理を行っています。どの温度帯にするのかや、マッシュの状態をどのくらいにするのか、濁り具合は透明にするのか、濁ったものにするのか、ブレンドや発酵させる容器の選別、ブドウの粒を入れたままにするのか、足で踏みつけるのか、そうであるときにはどのくらい踏みつけるのかなど、高品質のワインを造るためには、数多くのステップが存在するのです。
そこにはわたしの哲学があります。わたしは、個性とフレッシュ感のある綺麗なワインが好きなんです。ナチュラルビューティー、それがわたしのワインです。
<収穫>
全て手作業で行っています。収穫は8月中旬から始まり、最適な時期に収穫できるように、常に分析を行います。傷んでいない、完熟したブドウだけをセラーに持ち込むために、ブドウは視覚と感覚を使い事前に選別させます。必要であれば、病気や傷んだ果実を個別に取り除きます。ブドウがつぶれないよう、収穫用の箱にスペースをもって充填します。収穫されたブドウがワインセラーに運ばれた後にも、必要に応じて再度選別することもあります。
<醸造>
非常に穏やかな空気圧でブドウから果汁を抽出します。その後、自然酵母で発酵させるため、事前に酵母は使いません。ただ、何らかの理由で自然発酵がうまくいかない場合もありますから、その場合は酵母を入れます。酵母がグレープジュースをワインへと変える工程はいつもワクワクします。ここでは感覚的な作業が多くわたしのタスクは温度コントロールなど限られています。
2005年、わたしは初めて赤ワインのマッシュを自分の足で踏みました。勿論、足は完璧に洗ってあります。足で踏むことにより、丁度よい圧力をかけることができ、またブドウの中にある種子も傷つくことはありません。
仕上がったワインは清潔な空ボトルに充填されます。