製造工程
1.栽培
100%自社栽培。畑を歩き回り、最適な成熟度のアガベだけを選別。マデューロとピ
ントのアガベのみを手作業で収穫。選別後、「ジマメディア」を使用して収穫し、重
要な風味成分が含まれるペンカを1.5-2インチ残します。各畑の収穫をすべて終える
までに最大2年かかることがあります。収穫後は、アガベを植える前に、他の作物、
特にマメ科植物を2サイクル植えます。これにより、土壌と土壌中の栄養素、窒素が
回復します。
2.糖化
選別されたアガベが蒸留所に到着すると、マデューロとピントのアガベは大きさに応
じて半分または4つに切られ、蒸気で加熱されます。24-32時間、低圧(1気圧以下)
でゆっくりと慎重に蒸していきます。
蒸留すると、乾燥して繊維質だったアガベが濃い金色でしっとりとした甘みに変化し
ます。アガベを低圧でゆっくりと蒸し、さらに12時間寝かせることで、植物自体が畑
で開始していた複雑な糖を単糖類と二糖類に分解することができます。こうすること
により、発酵が可能になるのです。蒸されたアガベは、コンベアベルトでスクリュー
プレスに送られ、そこでアガベジュースまたはアグアミエルが絞り出されます。
3.発酵
発酵はテキーラ製造工程の核心部であり、酵母が重要な役割を果たします。また、
発酵は最も制御が難しい部分でもあります。発酵が始まるとあとは祈るしかありませ
ん。
オープン型発酵タンクに圧搾したアガベを入れ、場合によってはバガス(残った繊
維)あるいはアガベ繊維も加えます。
同時に、ブルーアガベ由来の酵母を増殖させたものを使います。発酵促進剤や外部
栄養素は使用せず、完全に自然に行われます。季節、湿度、天候条件にもよります
が、発酵は3-6日間続きます。その結果、アルコール度数6-9%の低アルコール物質
ができあがります。
ドン・フラノは、バガスまたは繊維を含む発酵物を約30%、バガスを含まない発酵物
を約70%使用して、ミネラルが豊かでありながらエレガントな製品を生み出していま
す。
4.蒸留
生物学的プロセスである発酵とは対照的に、蒸留は物理的なプロセスです。銅製の蒸
留器を蒸気で加熱してゆっくり沸騰させることで、貴重なスピリッツを安定して回収
しています。(80 -85% アランビック銅製蒸留器、15-20% ダブルカラム銅製蒸留
器)
自分たちが求めている製品の深みと特徴を実現するために、蒸留技術を組み合わせて
使用します。銅製の蒸留器で二度蒸留することで、豊かで深みのある職人技の製品が
生まれます。銅を使用することで、硫黄系化合物を排除することができ、最高の純度
と特徴を備えたスピリッツに仕上がります。
5.熟成
テキーラの約95%はバーボン用のホワイトアメリカンオーク樽で熟成されます。バー
ボンの生産者は、樽を1回しか使用できないため、メキシコの蒸留業者は樽を入手し
やすいのです。しかし、バーボンは、内側に直火による焼き付けを施すため、それが
アガベの繊細な香りやニュアンス、さらには熟成したときにあらわれるテロワールに
影響を及ぼしてしまいます。
ドン・フラノでは、ワインの熟成に使用されていた、ヨーロッパ産のダークオーク樽
のみで熟成されています。(フレンチリムーザン、ヌヴェール、スペイン、スロバキ
ア、ハンガリー)主に、フランスのリムーサンとヌーヴェル産で、以前はブルゴーニ
ュ、ボルドー、フランスのロワール渓谷のワインを保管していたものです。180-
500L)
また、スペインや東ヨーロッパ産など、ヨーロッパ産のオーク樽も使用しています。
これにより、スピリッツとテロワールの本質を失うことなく、より深い熟成が可能と
なります。
ドン・フラノでは、テキーラを様々な高度や気候の異なる複数の熟成場所で熟成し
ています。そうすることにより、様々な味わいのテキーラを造ることが可能になりま
す。さらに、それらをブレンドすることで、これまでにない、より深みと複雑さをも
ったテキーラを造ることができます。
6.ブレンド
スコッチやコニャック、ワインではブレンドすることは一般的ですが、テキーラはそ
うではありません。ドン・フラノは、複雑な熟成プログラムとブレンドプロセスを使
用する数少ないテキーラメーカーです。
アガベの産地、標高と土壌の種類、収穫時期、バガスの有無による発酵、蒸留技術、
熟成、使用する樽の種類、時間の異なる様々なテキーラを造ります。
これらを組み合わせることで、様々なスタイルのテキーラを造ることができるので
す。造りたいテキーラのスタイルが決まったら、ブレンドし、3-6か月間寝かせ、ボ
トリングする前にセルロースによるろ過を行い、100%無添加でボトリングされま
す。